職場の人間関係

厳しい上司が苦手で嫌いなら、上司の本音を聞き出すこと

「おい。これやっとけ。」と不愛想に指示を出したり、「お前、なんでこれやってないの?」ときつく叱られたり・・・

そんな風に冷たく、キツイ言いぐさで話しかけられると、部下の心はどんどん落ち込んでいきますよね。

「なんであの上司は自分に対して、こんなにキツイ事を言うのだろう」と疑心暗鬼していると、どんどんそれは不安へ変わります。

不安がいつの間にか、「この上司、自分をどんな風に評価しているか分からないから、嫌だな。苦手だな。」という感情へ変わり、かかわりを持ちたくない。という心理へ変わっていくのです。

普通の会社員の場合、毎日8時間程度、社内の人と同じ時間を共有します。1週間だと8時間×5日=40時間以上の計算です。

1週間に40時間となれば、家族や友人と過ごしている時間より遥かに長い時間共に過ごすので、せっかくならもっと友好な関係を持って仕事に従事した方が、よっぽど生産的ではないでしょうか。

しかし、上司はなぜキツイ事を言うのでしょうね。厳しい上司の言葉の裏には、上司は部下に対してどんな想いがあるのか考えてみましょう。

厳しさに隠れた上司の真意が不明確だと、職場の人間関係は悪化する一方です。昨今「パワハラ」は厳しく処せられる時代です。パワハラで訴えられる事に怯えて、厳しく指導出来る上司は世の中から減りつつあります。それでも厳しく指導してくれる上司は貴重な存在かもしれません。

「上司の事が嫌いだ。苦手だ。」と感じた時、落ち込むだけでなく、「部下の事を想って厳しく指導している上司か否か」を確かめましょう。

部下想いの厳しい上司か感情論タイプの上司か

部下の成長を願って厳しい言葉をかける上司は、出会った当初はとっつきにくく、何を考えているのかわからない為、とても怖い存在かもしれません。近寄りがたい存在で、風格があります。いつも厳しく部下に指導しますが、その厳しさは分け隔てがありません。誰かだけを甘やかしたり、誰かだけに厳しいわけではありません。いつも厳しいのに、たまに褒めてくれるとすごく嬉しかったりします。

一方、感情だけで物事を発する上司は、指導する時に同じような問題があっても、誰かには厳しく指導し、他の誰かには甘やかして指導をしません。その厳しさには、不公平があります。またある朝、出勤したときに明らかに機嫌が悪そうな表情で、話しかけづらかったりします。極めつけは、さっきまで厳しい顔をしていたと思えば、すぐに優しい言葉をかけたり、そそのかしたりする事もあります。

さて、あなたが部下の立場だとしたら前者と後者どちらの上司のもとで働きたいでしょうか。私は前者の上司のもとで共に仕事をしていきたいです。

理由は簡単なことで『筋が通っていて、指導に一貫性があるから、組織をまとめる事に長けている』と考える為です。

しかし、上記の上司の本質を見抜く為には、ある一定の時間が必要となります。そこで、『短期間で上司を見抜く方法』を次の章で記します。

 

 

付いていくべき上司かどうかを見抜く方法

信頼して指導を仰ぐべき上司は、一緒に働いている間は「嫌だな。ツライな。」と感じる事も少なくありません。しかし、そんな上司の言葉は、その上司と離れた時に初めてありがたみを感じるものです。

短期間で上司を見抜くことが出来れば、その上司を師と仰ぎ、自分の成長のプラスに働くこととなるでしょう。

上司を見抜く方法はとても簡単です。

あなたが、上司から厳しい指導を受けた時、素直にまずは受け止めて下さい。そして、次の事を伺ってみましょう。

「ご指導ありがとうございます。今のご指導、とても厳しく指導いただいたと私は感じました。しかし、なぜこんなにも厳しくご指導していただけるのでしょうか?

この質問を部下から伺った直後の上司のコメントに注目してください。

  • は?別にどうでも良いだろ。
  • いつもムカつくからだよ。
  • 何?偉そうに口を聞くな。
  • そんな事聞いて何になる?あっちにいけ。

もし、こんなコメントを返す上司なら、さっさと見切りをつけましょう。

ポイントは「自分と対等に話をしてくれないようなコメント」は要注意ということです。または、全うな言葉で指導を行うものの、指導の間、全く目を合わせずに話し続ける上司も要注意です。部下を「人」ではなく、「モノ」や「感情のはけ口」という人格を否定するような指導は完全にアウトです。

そんな指導を続けている上司と、そのような上司を管理職にしている会社に未来はありませんよ。

 

一方、信頼できる上司は以下のようなコメントを返してくれます。

  • お前、これで2回目だろ。(だから厳しく言ったんだよ。)
  • お前の成長を願って指導したんだ。
  • 誰しもが通る道だからな。
  • まだお前、(意識や行動が上司の基準で)甘いからな。
  • 期待しているからだよ。

以上のような指導を、きちんと部下の目を見て、分け隔てなく指導してくれる上司は、信頼して良いでしょう。もしかすると、多少言葉不足だったり冷たかったりする事があるかもしれません。

ポイントは「自分と対等に話してくれているか」という点です。

部下を「モノ」ではなく、「」として向き合っているか。部下の人格を否定せずに、事実だけに着目して厳しく指導しているかという点がとても大切です。

 

 

「上司を知る」が「部下の助け」になる

部下にとって厳しい上司が苦手で嫌だと感じる場合、ほとんどのケースでは「上司がなぜそのような言動をするか分からないから」というのが主たる理由ではないでしょうか。

相手がなぜ、そのような言動をするのか腹の底を知らなければ、警戒心が生まれて疑心暗鬼してしまい、結果としてネガティブな感情になってしまうのは至極当然のことです。

決して、職場の人間関係だけでありません。これは、友人関係や恋愛でも同じ事が言えます。

例えば、意中の相手がいるとして、相手にとって私という存在は、どう映っているのだろう。と気になるものですよね。本音でズバッと「信頼していますよ。」とか「素敵ですね。」とか「好きです。」と気持ちを伝えてもらえたら、安心してその後の関係を築けるものです。

しかし、思っていることはなかなか恥ずかしくて言えないもの。

上司と部下の関係も同じです。

そんな時は、勇気を振り絞ってどちらかが聞いてみましょう。

「こんな私の事、どう思っているのですか?」と。

普段、厳しくて言葉数が少ない上司でも、部下想いで、トラブルが発生したときにはきちっと部下を守ってくれる上司は世の中にたくさんいます。仕事の成果が上がった時には、しっかり褒めてもくれます。

全ては、上司と部下の「コミュニケーション不足」がネガティブな考えや、トラブルを招くのです。

通常は、上司から積極的に話しかけてくることは少ないかもしれません。その場合は、迷わず部下から上司を知る努力をしましょう。部下から歩み寄ってコミュニケーションをとって会話が弾めば、上司の意外な一面を知る事が出来るかもしれません。最初は怖い存在だったのに「なぜそのような指導をするのか」「上司の目的は何か」を理解できるようになると、いつの間にか厳しい指導もすんなり受け止められるものです。

厳しい上司が苦手で嫌いなら、上司の本音を聞き出すコミュニケーションをとりましょう。

お互いの考え方や想いを本音で共有するコミュニケーションが、今の社会には必要なのです。