時事ネタ

スシローが休業日を導入して休み方改革をしたけど、本当に休みは増えるのか?

どうもこんにちは。本サイトの管理人 サイファ(@saifanet)と申します。

私は大学卒業後に新卒入社でとある企業に就職しました。その後数年勤めあげて、某ショップの店長をしばらく経験させていただきました。私の詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。

 

今回は『スシローが休み方改革をしたけど、本当に休みは増えるのか?』について取り上げます。

スシローと言えば、「くら寿司」や「はま寿司」など回転寿司業界の中でもナンバーワンの売り上げを誇る最大手の企業です。業界最大手のスシローが2019年2月5日&6日の2日間、全国で一斉休業を実施しました。(※一部例外店舗を除く)

以前は年中無休を売りにして、いつでもどこでも食べられる回転ずしチェーンとして営業していたわけですが、「休業日が欲しい」という従業員の声を尊重して、一斉休業の実施に踏み切ったのです。

休業日以降、「スシロー」を展開する、株式会社あきんどスシローの株価も著しく上昇しています。それだけ、注目度の高さを伺わせます。

しかし、休業日を導入したのは良いものの、従業員の休みは実際、増えているのかでしょうか?店舗は休みでも、従業員の労働日数が変わらなければ休み方改革の本質からずれてしまうのではないでしょうか?

スシローの休み方改革をヒントに、陰に潜む休み方改革の実情について考えてみます。

店休日が出来たら従業員の休日は増えるのか?

基本的にスシローは年中無休で営業している飲食店です。

そこで働く従業員には限りがありますので、休日と出勤日を各従業員で分配しながら勤務体系を組んでいると考えられます。この勤務体系を俗にシフト制と呼んだりしますよね。

実は私もシフト制で10年近く勤務している労働者のひとりです。シフト制で勤務していて、店休日もある業界を経験して言える事ですが、

店休日が出来ても、従業員の休日は増えません。

店休日は全スタッフ共通の「公休扱い」です。結局、会社の労働規則に基本的な休日の日数は定められており、例え店休日が設けられていたとしても、規則に則って従業員の公休数は決まっているのです。

スシローが店休日を2日設けたというニュースを聞いて、世の中のほとんどの人は「いいなぁ。」「飲食店で店休日がある事がうらやましい。」という感想が良く出ていましたが、店休日が出来て本当に良かったかどうかは、スシローの現場で働くスタッフの方のみぞ知ることでしょう。

まぁ、全スタッフ休みが同じ日に取得できるようになるため、例えば前日に全スタッフで飲み会を開催したり、休日に全員でレクリエーションを企画したりと、スタッフ同士のコミュニケーションアップに繋げる機会を設けられるという利点もあるのは事実です。

私の場合、店休日があったとしても、結局はいつもの休日と変わらないわけですから、最初のうちは新鮮で良いものの、慣れてしまえば特に変わりはありません。

店の休みが増えただけで、従業員の休みが実質的に増えなければ、働き方改革による休み方改革が本当に反映されているのかは疑問を感じます。現に私は疑問を感じていますから。

これで本当に働き方改革と言えるのでしょうか?

 

休み方改革の盲点に要注意

休み方改革の裏を狙って、悪質な休み方を強要するブラックな企業が水面下で増えているようです。

悪質な例を挙げると

  • 店休日を設けるが、実際は店のレイアウト変更や掃除、ミーティング等で出勤させられて、結果として休めていない
  • 有給休暇の取得が義務化されることを受け、年末年始やお盆等の本来特別休暇だった休日を有給消化に充てられる
  • 残業時間の制約があるからと言って、タイムカードを勤務中に勝手に切られる

など。どれも最悪な労働環境ですよね。

いよいよ2019年4月から始まる働き方改革の施行で、休み方の改革も進められる裏で、このように抜け道を見つけて従業員をこき使う悪質な企業もあるのです。世間体には「働き方改革をうちの会社は順守しています」としながらも、陰でしわ寄せが従業員に降り注ぐのです。

休み方改革の盲点をついて、従業員に負担が増えるような労働環境は根絶しましょう。

 

休み方改革でサービス残業が生まれる危険

私は某ショップで管理職として勤務しておりましたが、店休日もありながら、さらに残業時間の目標設定を全スタッフに課し、決められた時間で質の高い仕事を完遂することを部下に求めてきました。

すると、モチベーションの高いスタッフに限って「サービス残業」を喜んでやろうとするのです。

サービス残業が生まれる源泉は仕事のモチベーションが高いスタッフから生まれるのです。

そのうちプロジェクト資料の作成や、チームのフィードバックを勤怠のタイムカードを切った後にやろうとするスタッフが出てきました。そんな時、私はこう言いました。

今すぐそれを片づけて帰りなさい。時間内にやり遂げられなかったことが一番の問題だから、時間内にやり遂げられる方法を明日考えて実行しなさい」と。

残業時間の目標設定をクリアしながらも、質の高い仕事を要求するなんて、アイツ意地悪な上司だ。と思われていたかもしれません。

予想通り、この取り組みを実施したところ、業績は大幅にダウンしました。(1か月でダウンし、3か月目には地の果てまでいきました。焦)

ですが、これではマズイと部下が奮起し「時間を有効に使う方法やノウハウ」を各スタッフが考案し、徐々に業績は改善してきました。

このように、働き方改革で休み方や労働時間を見直すと、時間効率化が図れない事が原因で必ずその歪みが生まれてきます。

 

まとめ

  1. 店休日が出来ても、従業員の休日は増えない
  2. 休み方改革の裏に隠れた盲点を根絶すべし
  3. 休み方改革でサービス残業が生まれる危険性あり

今回、スシローの休み方改革をきっかけに、働き方改革の現実や注意点をまとめていきました。

休日をたくさん欲しいのは、どの仕事に就いている方にも共通してある願望だと思います。しかし、現実は企業の休みが増える分、企業の売り上げが減少するわけです。減少し続けると、そこで働く従業員の飯も食えなくなるわけです。

こんな環境に生きる私たち従業員や労働者がやるべき使命は「労働する”時間”の有効活用」ではないでしょうか。

限られた時間内に、どれだけ質の高い成果を残せるか?が、働き方改革を推進する企業で生き残っていく必須スキルと言えるでしょう。