仕事辞めたい

仕事を辞めたいと従業員から相談されたらどうすれば良いか?

どうもこんにちは。本サイトの管理人 サイファ(@saifanet)と申します。

私は大学卒業後に新卒入社でとある企業に就職しました。その後数年勤めあげて、某ショップの店長をしばらく経験させていただきました。私の詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。

 

今回は『仕事を辞めたいと相談を受けたらどうすれば良いか?』について取り上げます。

私自身、大学卒業後、入社1年目で事業所の約半数の先輩が退職するという壮絶な経験をしました。その後も、人の入れ替わりが激しく、約10年間でのべ50名の退職者を見送ってきました。あまり誇れる数字ではありませんね。

そんな私だからこそ、先輩や同僚や部下や後輩から仕事を辞めたいと相談を受けた時にどう接してあげるのがベストなのか?をたくさん知っています。

もし、周囲に仕事を辞めたいと悩んでいる人から相談や報告を受けたらぜひ、参考にしていただきたいです。

話しやすい雰囲気をつくる

「仕事を辞めたいです。」と誰かに話すのはとても勇気がいることです。もし、従業員があなたにそんな相談を持ち掛けたとしたら、あなたはどんな言葉で迎えいれるのでしょうか?

まずは、従業員が話しやすい雰囲気をつくることが大切です。

従業員「私、仕事辞めようかと考えています。」

あなた「何言ってんの!誰でも悩みはあるんだから、頑張れよ!」

従業員「・・・・・。」

大事な話を最初から聴く気がない。ような発言はタブーです。まずは、真正面から仕事を辞めたいと悩んでいる相手に対して向き合いましょう。

従業員「私、仕事辞めようかと考えています。」

あなた「ごめん。あなたが仕事を辞めたいと考えているなんて知らなかった。思い切って話してくれてありがとう。何か思うことがあったの?言いづらいだろうけど、よかったら教えてくれないかな?

従業員「はい。実は・・・」

まずは、相談してくれた相手の勇気を称え、真正面からその考えに向き合いましょう。また、「良かったら教えてくれないか?」「どうしてそう思ったの?」などと、疑問形で質問し相手が発言しやすい会話を心がけましょう。

また、相手は言いづらい相談を思い切って打ち明けるのですから、しっかりと相手の目を見て話を聴きましょう。「親身になって聞いてくれそうだな。」「この人なら話しても大丈夫だ。」と感じていただけるような心配りが大切です。

  • 勇気を持って相談してくれた事を称えましょう。
  • 会話の最後に答えやすい疑問文を投げかけて、相手に話しやすい気持ちになっていただきましょう。
  • きちんと相談者の目を見て話をしましょう。

 

話しにきちんと共感・同調する

仕事を辞めたいと相手が勇気を出して相談をしてくれている時には、きちんと共感・同調をしましょう。例えば「あいづち」や「相手の言葉を繰り返す事」はとても大切です。

従業員「実は、ある先輩が私にとても冷たい態度をとるんです。なかなか仕事を教えてくれないし、やり方もわからないから、仕事がツラいんです。」

あなた「ほぉ…例えば?」

従業員「先日、初めてプレゼン資料を作り上げたあと、手直しを先輩に見ていただいたのですが「何を伝えたいかがわからん。」と一掃されて、その後改善方法は「自分で考えろ。」と投げやりにされたんです。」

あなた「まぁ…あいつも忙しいからな。」

従業員「・・・・・。」

一生懸命訴えているのに、これだと相談者は「本当に聞いてくれているのかな?」「面倒に感じられているんじゃないか?」という不安が芽生え、どんどん話すことが怖くなってしまいますね。

従業員「実は、ある先輩が私にとても冷たい態度をとるんです。なかなか仕事を教えてくれないし、やり方もわからないから、仕事がツラいんです。」

あなたそれは確かにツライよね。最初の頃は仕事のやり方もわからない状態で冷たい態度取られたら俺でも正直しんどいよ。例えばどんな事があったの?」

従業員「先日、初めてプレゼン資料を作り上げたあと、手直しを先輩に見ていただいたのですが「何を伝えたいかがわからん。」と一掃されて、その後改善方法は「自分で考えろ。」と投げやりにされたんです。」

あなた投げやりに言われたり、指示を出されてもそれだと何をやって良いかわからないよね。俺も気づかなくて申し訳なかった。ただ、もしかしたらあいつも忙しくて自分の仕事で手一杯だから、的確な指示を出せていなかったのかもしれないな。」

従業員「そうなんですよ!何をやれば良いのか分からないのは困るんです!でも、確かに先輩、いつも忙しそうでした・・・」

相談者のツラい思いを言葉で聞いた後に、「自分が同じ立場ならどう感じるかを想像しながら相手に返答」しましょう。相談者はその言葉だけでも救われる場合がほとんどです。「同じ考えをもった人がいた。」という安心感が相手にとって大きな救いになるのです。

また、相手が話している間は話を割らず、「うんうん。」「え!?」「そうかぁ。」などと相槌を打って真剣に話を聴きましょう。

  • 自分が同じ立場なら?と想像して共感・同調しましょう。
  • 相談者が話す間は話を割って入らないようにしましょう。
  • 適度に相槌を打って、真剣に話を聴きましょう。

 

クローズ質問とオープン質問を使い分ける

クローズ質問とは「YES」か「NO」や「一番〇〇なのはこれ!」というように答えることが出来る断定した質問形式です。一方、オープン質問とは、例えば「好きな色は何?」というように、相手に自由な回答を聞き出すことが出来る質問形式です。

従業員が仕事を辞めたいという理由や本質を探る場合は、オープン質問で質問を繰り返し、ぼやっとした部分が出てきたらクローズ質問で締めてあげたほうが効果的です。

あなた「という事は、先輩が指導してくれなくて、自分の成長に繋がらないから仕事を辞めたいってことかな?」

従業員「はい。それもありますが…」

最初から断定的にクローズ質問で相談者に質問していると、あとから相談者は言いたいことが言いづらくなる場合があります。「実は、他にもあるんだけど・・・」と他の問題を見逃してしまい、問題の本質を見いだせなくなる場合がありますので注意です。

あなた「それでは、あなたが仕事を辞めたいと思った原因は何だろうか?」

従業員「はい。先輩が指導してくれなくて、自分の成長に繋がらないから仕事を辞めたいことです。あ、あと帰りが遅いこともつらいです。あとは、有給休暇を言い出しづらい事もあります。」

あなた「そっか。たくさん悩んでたんだね。その中でも、一番悩んでいる事を教えてくれないかな?

従業員「はい。やっぱり先輩が指導してくれなくて、自分の成長に繋がらないことが一番の悩みです。」

あなた「やっぱりそれかぁ。分かった教えてくれてありがとうね。」

仕事を辞めたい理由を探る時、相談を受ける側が断定的な考えで相手に接していては、辞めたい本質を見つけ出すことが困難になります。

私の経験上の話ですが、仕事を辞めたいと考える従業員のほとんどがたくさんの理由や悩みを複数・同時に抱えているケースがほとんどです。

なぜ仕事を辞めたいのか?という理由を全て聞き出し→その中でも一番の悩みは何なのか?を突き止める事で、問題の根っこの部分を掘り出すことが出来るのです。

  • オープン質問→クローズ質問の順に質問を投げかける事
  • 仕事を辞めたいと考える理由はたくさんあり、複合的に絡み合っている
  • 悩みの中で一番根が深い問題を見つけ出す事

 

仕事を辞めたい理由を聴き、自身が出来る行動を示す

相談者から「仕事を辞めたい」と相談を持ち掛けられる場合、多少なりとも「相談した相手に話したら何か変わるかもしれない」という期待値があるからこそ、相談者はあなたに相談を持ち掛けるのです。

ここで、ただ単に話を聴いて終わり。ではなく、相談してくれた相手に対して「気づかされた」「話して良かった」「また頑張ってみようと思う」という次のアクションに繋がるような働きかけをしてあげるのが使命です。

従業員「・・・なので、私仕事辞めようと思います。」

あなた「それなら、自分自身で頑張って先輩に話してごらん。」

従業員「・・・・・。」

せっかく勇気を出して相談者に話したにも関わらず、その問題は自分で自己解決しなさいというメッセージは相談した側にとっては余計にプレッシャーに感じてしまいます。

従業員「・・・なので、私仕事辞めようと思います。」

あなた「言いづらかったろうにここまで話してくれてありがとう。俺も気づかなくて申し訳なかったよ。それなら、あいつの指導や指示の仕方に問題があると思うし、俺からきちんとやるようにあいつに話しておくよ。

従業員「でも。ご迷惑をおかけしませんか?」

あなた「なーに。気にするなって。お陰で、あいつの指導の仕方は良くないなって気づけたし、それがあいつとあなたの為だから任せとけって。俺が全部フォローしてやる!

従業員「ありがとうございます(涙 話してよかったです…また少し頑張ってみます!」

あなた「構わんよ。俺たちチームだろ!

こんな仲間が職場にいたら心強いですよね。仕事を辞めたい人の多くが、「人間関係」が原因で退職していくのです。「頼れる人がいない」のであれば、あなたが手を差し伸べて「頼れる人」に変わる事が出来れば、退職者の数を低減することが出来るかもしれませんよ。

  • 悩みの改善策をそのまま相手に丸投げしない事。
  • 頼りがいのある人になりましょう。
  • 会社や職場は「チーム」であり「個人戦」ではありません。

 

さいごに

今回のポイントをおさらいします。

話しやすい雰囲気づくりのポイント

  • 勇気を持って相談してくれた事を称えましょう。
  • 会話の最後に答えやすい疑問文を投げかけて、相手に話しやすい気持ちになっていただきましょう。
  • きちんと相談者の目を見て話をしましょう。

話の共感や聴き方のポイント

  • 自分が同じ立場なら?と想像して共感・同調しましょう。
  • 相談者が話す間は話を割って入らないようにしましょう。
  • 適度に相槌を打って、真剣に話を聴きましょう。

オープン質問とクローズ質問の使い分けポイント

  • オープン質問→クローズ質問の順に質問を投げかける事
  • 仕事を辞めたいと考える理由はたくさんあり、複合的に絡み合っている
  • 悩みの中で一番根が深い問題を見つけ出す事

あなたが協力できる事を示すポイント

  • 悩みの改善策をそのまま相手に丸投げしない事。
  • 頼りがいのある人になりましょう。
  • 会社や職場は「チーム」であり「個人戦」ではありません。

仕事を辞めたいと相談を持ちかけられたら、それはあなたにSOSの信号を送っているということです。相談者にとってあなたが、最後の頼みの綱かもしれません。大切な仲間をないがしろにしていては、相談者は誰にも相談することが出来ず、退職してしまうでしょう。

仕事を辞めたいと相談を受けるのは、絶好のチャンスなのです。相手の立場になって親身に考え、フォローしてあげる事で、相談者の人生を救う事になりえるのです。

仲間を救うことは、結果として、あなたの仕事や会社を助けることに繋がるのです。