仕事辞めたい

「仕事を辞めたい」女性社員がワーキングホリデーでオーストラリアへ飛び立った話

私は、中間管理職のサラリーマンとして毎日仕事をしています。

部下を持つようになって数年経つのですが、この数年で色んな部下と出会いました。

そのひとりに「素敵な仕事の辞め方」をした部下がいて、人生観や生き様に感銘を受けたのでご紹介します。

 

 

女性の部下が『私、仕事を辞めます。』

今から2年ほど前でしょうか。当時、私には女性社員の部下がいました。

彼女は、顧客からの評判が良く、後輩の面倒見も良く、管理職の私と他社員の架け橋となる役回りを買って出たり、さらに営業成績も社内でトップクラスの成績を残す、とても優秀な部下でした。

そんな彼女がある日の業務終了後、話しかけてきました。

私、世界の文化を学びに海外に行きたいので仕事を辞めます。

突然のことで、私は、飲んでいたお茶を吹き出しました。

仕事が順調にいっている彼女が、なぜ今の仕事を投げ打ってまで海外に行って、世界の文化を学びたいのか。理由を尋ねました。

世界に視野を広げて、自分自身の成長につなげたいからです。日本だけにとどまらず、世界の文化を肌で感じてパワーアップしたいんです。そして、帰国後に起業します。

そう彼女は断言しました。その目はギラギラしており、拳を力強く握りしめて話していました。その姿を見ただけで私は「覚悟は決まっているのだな。」と察しました。

彼女が続けて言います。

日本の会社でずっと働いて、学ぶことももちろんたくさんあります。ただ、人生一度なので、もっと自分の可能性を信じて挑戦してみたいのです。

なるほど。何とも立派なチャレンジ精神だ。この前向きポジティブで上昇志向があるからこそ、優秀な仕事ぶりを続けてこれたのでしょう。

しかし、私には気になる点がいくつかありました。

私「現実的な問題として、”お金”はどうするんだ?海外に行く費用、むこうで暮らしていくための貯蓄はあるのか?」

実は、彼女は非常に浪費癖がある女性でした。好きなものをすぐに買ってしまい、いつも「また買ってしまった」と嘆いては、周りから「いい加減、金の使い過ぎだろ!」となじられていた。

今の私に、お金はありません。しかし、自分の夢の為なので1年間、ここを離れて、遠い場所で住み込みで旅館やリゾートホテルへ出稼ぎに出ます。お金はすぐに使ってしまうので、クレジットカードと給与口座を親に預けます。生活費だけ親に送ってもらう計画です。

相変わらず、彼女の目はギラついていました。お金の管理まで覚悟を決めており、ついに私も折れてしまいました。

上司である前に、私もひとりの人間です。この女性部下が退職するのは、非常に惜しい気持ちでしたが、それと同じく、彼女の人生を私も本気で応援するのが、仲間としての役目だと考えたのでした。

そして私は言いました。

『わかった。絶対にもう、この会社には戻ってくるな。夢を必ず実現させる為に。あなたの人生をかけた挑戦を本気で応援している。頑張れよ!

 

その年の年度末に、彼女は同僚に惜しまれながら「退職届」を持ってきました。

 

 

1度挫折した彼女

退職した後の彼女は、有給休暇を消化している間に、旅館やリゾートホテルで働いて資金を貯蓄するために、いわゆる「リゾートバイト」を日本中から片っ端に調べて、応募しました。

新しい仕事先はあっという間に見つかり、新天地へ飛んだようでした。

しかし、彼女はたった1か月で帰ってきてしまいました。彼女が帰ってきてすぐ、職場の仲間達と彼女を囲んで居酒屋に行きました。

私、新しい環境で周りと馴染めないし、ホームシックで本当にツライ毎日でした。

どうやら、出稼ぎに行ったのはいいものの、彼女は人生で始めて地元を離れて、全く新しい環境に馴染めずに帰ってきてしまったのです。共に仕事していた頃には見せたことのない落ち込みようでした。

私や彼女の元同僚である仲間達は、みんなで落ち込む彼女を一生懸命励ました。

「大丈夫、〇〇さんならきっとうまくいくよ。」「ツラい時は、いつでも帰ってきたらいいじゃないですか。みんないますよ!」「応援してますよ!」

みんな。ありがとう。もう1回、チャレンジします。

彼女は半泣きでそう言い残し、数週間後、2回目の新たな地へ飛び立ったのです。

 

 

それから1年で本当にお金を貯めた彼女

1度挫折を味わって、2度目の挑戦へ飛び立って数カ月間、周囲の仲間へ彼女から連絡がくることはありませんでした。

たまに季節の変わり目の頃、彼女は地元に帰ってきて元同僚や仲間たちと、近況報告をしていた。しかし、私はその途中で人事異動の関係から別の職場へ転勤となりました。

私の転勤後、しばらく彼女と会うことはありませんでした。

 

そして、月日は流れた・・・

 

あれから1年が経ち、久しぶりに彼女から連絡がありました。

お久しぶりです。ぜひ、ご挨拶したいのですが〇〇日、少し時間いただけませんか?』私は、二つ返事でOKしました。

約束の当日、わざわざ遠方から車で彼女は私の現在の職場へ出向いて挨拶に来ました。

切り詰めた生活からなのか、出稼ぎが激務だったからなのか、彼女は見違えるほど痩せていました。しかし、強い眼差しはさらにギラつきを増していて、芯のある声で彼女はこう言いました。

ようやく目標のお金が貯まりました。ワーキングホリデーの申請も済ませたので、3日後、オーストラリアに旅立ちます。1年間行ってきます、その間はお金の都合で日本へ帰ってこれません。たくさん文化に触れて成長してきます。応援ありがとうございました。頑張ってきます!

 

「仕事を辞めたい」彼女は人生を賭けた挑戦へ、その一歩を踏み出したのです。

「仕事を辞めたい」理由を分析すること

仕事を辞めたいと思う理由は、働く人それぞれの状況によって違うかもしれません。仕事を辞めたい理由には、大きく2つのパターンに分けられます。

  1. ポジティブな理由で「仕事を辞めたい」
  2. ネガティブな理由で「仕事を辞めたい」

以上のどちらかです。

前者の「ポジティブな理由」には、例えば今回紹介した彼女のように「経済的に苦しくても実現したい夢や野望がある」場合や、「年収をアップさせたい」「自分のやりがいを見つけたい」というケースがあります。

以上のような理由の場合、時間が経過すると、環境の変化や条件不一致のために実現できなくなる恐れがあります。この場合は、すぐに新しい転職先を探すなど準備を進めた方がよいでしょう。

 

後者の「ネガティブな理由」には、「職場の人間関係が悪くて居心地が悪い」とか「会社からきちんと評価されない」「拘束時間が長くて、充実したプライベートの時間がとれない」「本気になれる仕事の目標を見出せない」というケースがあります。

以上のような理由の場合、時間が経過すると、心身疲弊してしまい、健康を害する危険性があります。この場合は、まずは問題の原因を追究し、自分自身で解決できる問題なのか洗い出しましょう。ただ、自分自身で解決できない場合は、社内の信頼できる人に相談しましょう。それでも解決されない場合は、新しく転職先を探すなどの環境を整える準備を進めた方がよいでしょう。

 

両者の理由で私の知人がよく活用していたサイトがリクナビNEXTです。

登録については一切料金がかからないというのも魅力の一つです。ここは、スカウトサービスによりレジュメや希望条件を登録しておくと、企業からオファーが届くので、自分で企業を探さずとも、企業が自分に合った職場を自動で探して提案してくれるのでとても助かります。

気になる求人情報を自分でストックしておくだけで「転職」という選択肢が出来て、例えば過労で倒れてしまう前にも転職という手が打てるようになります。

 

「仕事を辞めたい」と考える方の多くは、今の仕事や暮らしに満足していない方です。しかし「今の仕事や暮らしを満足させる」のも自分次第です。

現状に満足していないのであれば、自分自身で「変化」を起こすしか方法はありません。

仕事を辞めてワーキングホリデーを活用し、自分を成長させていく道を選んだ彼女も、自分で「変化」を起こす生き方を選んでいます。

彼女に学んだ大切な事は「変化を起こす勇気覚悟こそ、自分の未来を変える」ということです。