時事ネタ

日本人の有給休暇取得率が3年連続世界最下位という状況を反省する

 

「上司が休んでいないから休みを取りづらい」

「休んでしまうと職場の人に迷惑をかけてしまう」

「長期休暇を取れば評価が下がるのではないか」

 

こんな呪縛に囚われて、職場で有給休暇を取れない人が多いです。

 

日本人の有給休暇取得率が3年連続で、世界ワースト1位となりました。

 

「世界で一番働いている国」ですよ。

いや、本当のところは・・・

 

「世界で一番、仕事を休めない国」なのかもしれません。

 

日本の有給休暇取得率はどうして世界最悪なのか。

 

この状況を私たちはどのように捉えて、変革すべきなのか。

 

さぁ、有給休暇をもっと取得しやすい文化を創りましょう!

 

 

 

 

休まず働く日本人

出典:エクスペディア https://welove.expedia.co.jp/infographics/holiday-deprivation2018/

日本人の有給休暇取得率が世界19か国で比較したところ、3年連続で最下位となりました。

 

調査した「エクスペディア」が2018年12月10日に発表した記事によると、日本の有給休暇取得率は50%、取得日数は10日間で、いずれも世界最下位をマークしました。

 

一方、日本のGDP(国内総生産)は、2017年は世界3位でした。

 

一生懸命働いて結果を残し、ぜんぜん休まない国」日本です。

 

 

 

有給休暇取得率が10年連続で世界ワースト

出典:エクスペディア https://welove.expedia.co.jp/infographics/holiday-deprivation2018/

日本の有給休暇取得率は10年連続で最悪の結果を残し続けています。

 

「働き方改革」を提唱している政府の後押しもあって、2019年4月より「年次有給休暇5日取得の義務化」が始まります。

 

しかし、多くの労働者が年に20日の有給休暇が付与されるうち「たった5日間」が義務化されるだけです。

 

割合にすれば5日/20日=たったの25%です。

 

世界の有給休暇取得率で見れば25%は非常に少ない数字です。

 

 

 

有給休暇取得の在り方を本気で見直すべき時期にきている

出典:エクスペディア https://welove.expedia.co.jp/infographics/holiday-deprivation2018/

働く人の大半が「休みが不足」「休みが少ない」と感じています。

 

有給休暇制度の「社員が心身ともにリフレッシュして、仕事の成果向上につなげる」という本来の目的を再認識し、有給休暇取得を根本から改善しなければなりません。

 

休みが思うように取ればければ、労働者は心身共に疲弊してしまいます。

疲弊すると、精神的な余裕がなくなり、働く人は思い詰めてしまいます。

思い詰めてしまうと、うつ病や精神疾患を患ってしまいます。

精神を患ってしまうと、満足に労働することは到底無理です。

では、うつ病や精神疾患を患い職を失った人々はどうやって生活するのでしょうか。

 

国や自治体から出る補助金で生活するのです。

この補助金は「税金」で賄われています。

たくさん税金を納めているのが、労働者や企業なのです。

 

 

社員の心身の健康を、有給休暇取得で守ることは

日本国民全体を助けてくれる互助関係にあるのです。

 

政府が提唱している働き方改革の本質を追求するなら、

政府の制度に頼るだけでなく、個々の企業が一丸となって

「有給休暇を取得しやすい企業文化」を独自で生み出していかなければ

何の解決にもならないでしょう。

 

労働で精神疾患を患う人が増えているのは、大きな社会問題となりつつあります。

 

有給休暇取得率が世界ワーストを続けている今、

有給休暇の取得について、今こそ本気で見直す時期なのです。

 

 

 

 

日本人が有給休暇を取れない理由

出典:エクスペディア https://welove.expedia.co.jp/infographics/holiday-deprivation2018/

日本人が有給休暇を取得しない理由として多かったのは

1位「人手不足」

2位「緊急時の為にとっておく」

3位「仕事する気がないと思われたくない」

表面的な理由が並んでいますが、根本には「評価を下げること」と「職場の人間関係が悪化すること」が大きく絡みついています。

 

1位「人手不足」という理由の本質は

人手不足で自分が休むと他の同僚へ迷惑をかけてしまうから、それが申し訳なく思い」有給休暇を取得できないのです。

 

3位「仕事をする気がないと思われたくない」という理由の本質は

有給休暇を取得して休んでばかりいると、仕事をする気がないと思われて、会社からの評価を下げたくないたくないから」有給休暇を取得できないのです。

 

以上のように、「会社に迷惑をかけたくない」「休んで評価を下げたくない」という心理が会社を休みにくい環境を生み出しているのです。

 

 

 

会社で有給休暇を取ると降格が心配

出典:エクスペディア https://welove.expedia.co.jp/infographics/holiday-deprivation2018/

例えば、あなたが所属している会社で来年1年間の間に、

去年から蓄積した有給休暇40日間、

あなたの判断で全て取得するとしましょう。

その時、あなたは会社からどのような処遇を受けるでしょうか?

 

多くの会社では冷ややかな目で見られて、適正な評価をしてもらえないでしょう。

「自分勝手にたくさん休むやつに会社を任せられない」

「休んでばかりで周りに迷惑をかけている存在だ」という理由で、

・役職者へ昇進の道を閉ざされる

・管理職から一般職へ降格の処分を下される

そんな冷遇を受ける心配があるから、長期や大量の有給休暇を取得出来ない文化が根強く残っているのです。

 

有給休暇は労働者の「権利」でありながら、評価という「圧力」によって取得する「権利」が抑圧されて、取得率が低迷している実情なのです。

 

社員を管理する役職者は

「有給休暇をたくさん取るのは他の社員へ迷惑である」という考え方から

有給休暇をたくさん取るのはプライベートが充実しているからであり、この社員はもっと良い仕事をする

という前向きな考え方にシフトしていかなければなりません。

 

私も中間管理職として現場をけん引している企業人のひとりです。

管理者である私自身が勇気を出してたくさん有給休暇を取得し、

部下に背中を見せて取得しやすい文化を生み出すべきだな。と反省しました。