職場の人間関係

職場の人間関係が最悪/コミュニケーション不足はスマホとSNSの普及が影響している

会社を辞めたり、転職した人の大半が「労務環境」と「職場の人間関係」が原因で前職を辞めているのです。

職場の人間関係が最悪だと仕事はうまく進みませんよね。特に日本では「すり合わせ型」という方法で仕事を進めていくケースがオーソドックスです。戦略や計画を多くの関係者と共に計画を練り合わせて進めていく手法です。

人間関係がギクシャクしていると、コミュニケーションがうまくいかないので仕事そのものがやりづらくなります。さらには、仕事の成果が上がらないことを相手のせいにする。なんていう責任のなすりつけまで発展する職場も多いのです。

人間関係の問題は、全て「コミュニケーション不足」です。

社長
社長
職場で円滑なコミュニケーションを取り、チームでまとまれば、もっと生産性の高い仕事が出来ますよ。

人間関係の悪化はコミュニケーション不足が原因

仕事を退職するほとんどの理由に「人間関係」が挙げられます。人間関係の悪化で、「仕事を頼みづらい」とか「出来る限り話しかけたくない」などの摩擦が生じると、社内では必要最低限しかコミュニケーションを取らなくなってしまいます。となると、チームで進めるプロジェクトも、互いの意見が活発に交換されなくなり、深度の薄い計画になってしまいますよね。結果、プロジェクトが不発に終わる事も起こりえます。

このように、職場のコミュニケーション不足が会社の生産性を下げてしまうのです。

裏を返せば「コミュニケーションが活発な職場」は、仕事の生産性は格段に向上します。仲が良い職場は仕事も順調とはよく言ったもので、「単に仲が良い」だけでなく「互いの意見を尊重し、発言しやすい環境」だから仕事の生産性が上がるものです。

さてここで本題です。コミュニケーション不足=会社にとって悪い影響を与えるというなら、そもそもコミュニケーション不足が発生する要因とは何なのでしょうか。

 

 

職場のコミュニケーション不足はスマホの普及が影響している

私は「スマホの普及が対面コミュニケーション不足の世の中を生み出した」と考えています。

ソフトバンク社がiPhone3GSの取り扱いを開始して以降、日本では約10年のうちに爆発的にスマホは普及してきましたよね。「ケータイの充電器を貸してほしい」と言えば、ガラケーの充電器が珍しい程。世の中は様変わりしました。

スマホの普及と同時に、発達してきたのがLINEやTwitterなどのSNSサービスです。スマホから簡単にメッセージや写真や動画をやり取りできるとあって、今ではスマホの基本アプリとして利用者が拡大しています。さらに、魅力的なゲームアプリは質の高いグラフィックや面白さが溢れており、さらに無料で遊べる為にハマってしまう人たちも多いのです。電車でスマホを触っている人たちの大半がSNS・ゲーム・あるいはニュース等を見ていることでしょう。それだけ、魅力的なコンテンツがスマホには存在しています。

便利なスマホの普及による副作用として、実際に人と対面でコミュニケーションを取る機会が減ったことと、コミュニケーションスキルの低下が影響していると考えられます。

 

コミュニケーションを取る機会が少ない

私のケース(30代 会社員 男性)を例に1日あたりどれくらいスマホを見て、コミュニケーションの機会を失っているのか説明します。

私の場合だと1週間に21時間31分、1日あたり平均3時間4分もスマホを見ていました。

仕事やプライベートで活発に活動して、人とコミュニケーションをとれる時間は、1日あたり約12時間程度ですから、活動時間のうち1日あたり25%はスマホの画面を見ている計算です。

結果として毎日3時間も、私は人とリアルなコミュニケーションをとる機会を失っていたのです。確かに仕事の休憩時間などは、スマホの画面を眺めている事が大半です。また、少しの空き時間でも通知が無いか、こまめにチェックする事がありました。

私がスマホを見ている間、職場の同僚が一生懸命話しかけてくれる事がありました。私は上の空で、同僚の話が頭に入ってこないまま、適当に相槌をうっていたかもしれません。話す側としても、相手が話しを真剣に聞いてくれない場合、話す気にはなれませんよね。

このような状況が、職場のコミュニケーションの機会を逃しているのです。相手と話すときは手を止めて、相手の表情を見てコミュニケーションをとるを心がけなくてはいけません。基本ですけれど本当に大切な事です。

 

コミュニケーションスキルの低下が心配

SNSでコミュニケーションを取る場合、相手からメッセージが来た後に返事のメッセージを送るまでの間、文字を打ちながら内容を考える時間がありますよね。どんなふうに相手に伝えた方がベストだろうか。メッセージを打ち終えた後文面を読み返して推敲することが出来る「間」が自由に取れるのです。

また、SNSで文面を読んでいる時や、文章を打ち込んでいる時、ほとんどの人が無表情で入力していますよね。どんなに楽しい会話でも、悲しい話題でも実際の顔は「無表情」で接しているのです。まぁ、相手には文章で想いを伝えるわけですが、顔の表情は使わないと表情筋が衰えて、表情が硬くなってしまうものです。私は、SNSの台頭で、表情を伝える機会も減ったように感じています。

もし、仕事で大事な取引先との商談時に不自然な会話があると、相手に不信感を与え「コミュニケーションがロクに取れないような所と仕事は出来ない」とはねられてしまいます。

これだけコミュニケーションツールが世の中に溢れている現在では、便利さの副産物として「コミュニケーションスキルの低下」はどうしても免れないでしょう。

 

 

スマホはコミュニケーションツールではなく情報共有ツールだ

スマホの普及でSNSは爆発的に広がってきました。ビジネスでは、スマホをコミュニケーションツールとして用いてしまうと、文章が無機質な感情として相手に伝わってしまう事から、伝わり方の違いや歪みが生じやすいものです。

仕事でスマホを活用する場合は情報共有・情報交換ツールの一部に過ぎないというスタンスで活用する事が望ましいでしょう。

例えば、各地で担当者が現場の写真や備忘録をクラウドサービスで社員全体と共有しているようなビジネスモデルであれば、ノウハウを全社員で蓄積し、会社全体で知識共有が出来るようになります。活用次第では、スマホは大きくサポートをしてくれる最強のツールにもなります。それだけの情報量を手紙や、報告書を郵送してやり取りしていたのでは、仕事のスピードは何十倍も違いますからね。

スマホ普及によりコミュニケーションの機会やスキルが低下している面もありますが、活用次第では強力なパワーツールになりえることもきちんと理解しておきましょう。

ビジネスにおけるスマホの位置づけは「コミュニケーションツールではなく、情報共有ツール」であるということです。

 

 

職場でコミュニケーションを取る事を目的としたミーティングが一番の対策

職場のコミュニケーション不足に悩んでいる場合、手っ取り早い対策は「コミュニケーションを無理やり取るミーティング」の実施です。ミーティングの形式はどんな内容でも良いのです。例えば1つのテーマを決めて、体験談や考えを自由に発言する時間。あるいは、ランチミーティングとして昼食をとりながら自由に会話をするといった具合です。

大切な事は「考えや価値観を共有する事」です。ですから、形式にこだわって堅苦しいミーティングをやる必要はありません。

同僚の考え方や価値観を理解していれば、同僚が置かれている状況や状態に合わせて声をかける事が出来ます。そうすれば「この人は私の事を理解してくれている」という安心感が生まれるのです。コミュニケーションはどんどん加速し、言いたい事も言い合える仲になります。

ここで気をつけたいのが職場は仲良しグループではなく、チームであることを忘れてはいけません。コミュニケーションが弾むと、仕事に関係性の無い話題まで飛び交う事があります。グループとは仲の良い集合体で、チームとは共通の目的をもって集まった集合体を指します。休憩時間などフリーな時間は問題は無いのですが、業務中であれば私語は控えて仕事の目的に集中してコミュニケーションをとりましょう。

コミュニケーションをとる目的でミーティングを実施する本質は「職場で互いの意見や考えを言い合える間柄を構築すること」です。ここはブレてはいけません。

やっぱり、コミュニケーションは楽しむべきものです。お互いの顔を合わせて、表情や身振り手振りを交えて、声のテンションを変えながら楽しく行いましょう。

コミュニケーションが良好なチームは、優れた成果を残します。優れた成果を残すとコミュニケーションはさらに活発になるものです。